生きもの零れ噺 1「ボネリムシ」

えっと、ふーめーきんです。
この企画、実は本来やる予定は
無かったのですが、どうしても
1つの記事としては薄かった…
と言う事で新しく始めました。
一体幾つ企画を増やすんだか…
1、始めに色々と言いたいこと
改めまして、ふーめーきんですが、まず一言。本当にごめんなさい。
実は先々週(前回の記事を上げた辺りからなのですが)、多忙どころの騒ぎでは無くなり、休日返上で仕事をしているので記事を書くための「テーマ決め」と「データ収集」が全くと言っていいほど出来ていません。特に後者に関しては「データの正確性」や「ソースの有無」など、記事を書く上でとても重要なことが含まれているので、今後の勉強記事「ふーめーきんと学ぼう!!」シリーズは更新速度が落ちる、ということになるかも知れません。
ですが、「何とか隔週更新(ほぼ)だけは維持したい」との考えから、「自分の得意分野なら書けるかも」「ソース元が少ない物なら尚良し」「でもなるべく面白くしたい」「スタンス的には従来の勉強記事の物をベースに」……等々、様々な思惑が混ざり合って生まれたのが今回の企画です。
この「生きもの零れ噺」は、勉強記事では語り切れなかった生物を1回につき1種ずつ紹介していく企画です。前回の記事では「生き物の性の数」だったので、今回はそれに関連した「性決定」という切り口で見ていきます。
色々と長ったらしく書きましたが、要約すると「もっと楽したい」という事です。

正直、夏以降もこの状況が
続く可能性があるんですよね…
ただ、隔週更新のルールは
多少のずれはあれど守っていく
予定なので、宜しくお願いします…!
2、性決定ってな~に?
ざっくり言うと「オスとメスが別の個体である生き物の中で、生まれてくる子供の性別が決まること」となります。一応雌雄同体や性転換する生物を含む性決定もあるのですが、今回はそれには触れずにやっていきます。
人間でいえば、XXの遺伝子を持つなら女の子、XYなら男の子、とよく言われていますね。あれです。
XX × XY
↓
XX(女) または XY(男)
人間を含む殆どのほ乳類はこの形で性決定が行われます。他の生物もXの代わりにZが使われていたりするだけで、基本的には変わりません。
ですが、何事にも例外というものは存在し得るもので、大きく分けて4つの例外があります。
1つは、カメやワニなどの爬虫類によく見られる「温度差による性決定」。
2つ目は、バクテリアの一種「ボルバキア」の寄生による鱗翅目昆虫・等脚類の雄の雌性化。(この子の記事はいつか作ってみたい)
3つ目は、環形動物原環虫類Dinophilus apatrisの「卵の大きさによる性決定」。
…そして4つ目が今回のメインテーマ、ボネリムシです。
3、圧倒的なサイズ比と究極の女尊男卑
ボネリムシはユムシ網ボネリムシ科に属する生き物で、日本の本州中部以南、地中海などに生息しています。海の中にある有機物を食べて生活していて、体の色は濃い緑色をしています。更に大きな特徴として、通常のサイズは10㎝程なのですが、口吻と呼ばれる口に相当する器官を2ⅿまで伸ばすことが出来るので、実質2.1ⅿという大きさになります。
…が、これはメスのお話。

上の画像の通りオスは完全にゴミのような顕微鏡サイズで、大きさはメスの500分の1~200万分の1と、最早本当に同じ生物なのか疑いそうになるほどのサイズ比をしています。
で、この生物にも性決定が行われる訳なんですが、一体どんな方法なのでしょうか?
ボネリムシは卵から孵化したときは雌雄未分化といって、まだ性別が分かれてない状態で生まれてくることになります。このとき、特に何事も無ければ順当に成長していってやがてメスに成長していきます。じゃあオスになる条件は何なのかと言いますと、実は「メスに接触する事」なのです。
メスに見つかってしまった未分化のボネリムシは、するするとメスの体内へと吸い込まれてしまい、そこでオスに分化して、メスの子宮内に寄生して一生を過ごすことになります。
因みに、オスに分化する際にオスの生体は全ての機能が退化してしまいます。栄養もメスから送られてくるので消化器官も無くなります。しかし、精子だけは出るので、ただただ精子を放出する生殖器として生きていくことになります。
何だかオスがどんどん可哀想に思えてきますが、一生ヒモとして生きる、という所を考えるとモノによっては良いなと思う人もいるかも知れませんね。
大事な性決定を運に任せ、楽しい生涯かつまらない生涯か、メスに見つかるか見つからないかで生涯が決まる恨みっこなしの変な生き物、ボネリムシでした。

いかがでしたでしょうか?
こんな感じで、暫くは少し
短めの記事を投稿していく感じに
なると思います。
次回以降も面白い生きものの噺を
していこうと思っていますので
どうぞお楽しみに…!
参考にしたページ
Comments