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超次元ベースボール!「SCP-2206」を紹介!

執筆者の写真: ふーめーきんふーめーきん






ブログではお久しぶりです、

ふーめーきんです!

投稿日当日(11/5)は

クライマックスシリーズ最終戦

ということで今回は

野球にまつわるSCPを

紹介してまいります!





 そんな訳で、まずこのSCPの記事を読んでみましょうか。SCPの項目名(メタタイトル)は『Maximum League Baseball (マキシマム・リーグ・ベースボール)』。この記事はアメリカで作成されているので、野球大国らしさが存分に出ている記事になっております。最後まで是非楽しんでいってください…!



電波に乗ってどこまでも

 最初はこのSCPの特別収容プロトコルから見ていきましょうか。

 

アイテム番号: SCP-2206


オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2206の収容は、放送地域の数と分布ゆえに現時点では実行が不可能です。SCP-2206に関する公共知識の増大に対抗するため、SCP-2206を架空の物語に偽装することを目的とする大規模な偽情報活動が行われています。この目的を達成するために、以下の活動が継続して、または今後実行される予定です。

  • SCP-2206をスポーツトーク・ラジオのパロディであるラジオ番組として記載した偽Webサイトの作成。

  • 上記Webサイト上のオンライン店舗を通じて販売されるSCP-2206商品の作成。

  • 聴取者の意欲をミーム的に低下させ、SCP-2206はフィクションではないかもしれないと思わせないように働きかけるSCP-2206広告の作成。

  • 機動部隊ラムダ-30(“スポーツキャスト・パフォーマーズ”)たちによる、SCP-2206放送を模したライブショーの公開。

SCP-2206の放送源を探し出し、無力化するための努力が進行中です。

 

 今回のSCPは放送という言葉が用いられているので、恐らくテレビ番組…またはそれに準ずるものでしょうか。収容対象が物理的な存在ではなく、確保は難しそうです。そして何かしら異常な放送を行っているとなると、公共の目に留まることも多そうですね。今のところ財団は発信を防ぐこともできていないので、現在はこの放送自体を架空のものであるとして公報を行っているみたいですね。


 そして、『機動部隊』というワードも出てきたので解説します。機動部隊は財団に所属する、選抜されたメンバーからなる精鋭部隊です。名前から軍の特殊部隊のようなビジュアルを想像するかもしれませんが、機動部隊はそれぞれの専門分野のスペシャリストたちですので必ずしも軍人のように武装しているとは限りません。今回のように、スポーツキャストの真似をして本放送を模したライブショーを行う、といったカジュアルな機動部隊もいます。


 オブジェクトクラスのEuclidも今回で初紹介ですが、こちらは完全に収容するのに比較的多めの資源を必要とするものや、収容状態が必ずしも信頼できる訳でないものです。今回の場合、オブジェクトを一般人から遠ざけるのが難しいわけですが、それによって何か甚大な被害を被るようなことは想定されていないが故のクラス分類なのでしょう(危険であれば恐らくKeterまで跳ね上がる可能性もあります)。


 さて、いよいよこのSCPが何であるのか見ていきましょうか。

 

説明: SCP-2206は2008年にアメリカ大陸全域で始まったラジオ番組です。これらの放送は概ね夕方に発生し、通常はその地域の野球の試合と一致する時間帯です。SCP-2206実例を放送場所と思われる地点まで追跡することは可能ですが、放送源となるものは全く見つかっていません。現在、SCP-2206は我々の基準世界と著しく異なる世界線からの超次元放送であると想定されています。


SCP-2206の内容はスポーツの実況と批評です。焦点となるのは“野球”と呼ばれるスポーツですが、これは地球上で行われる野球のあらゆる既知のバージョンと比べて大きく異なっています。


SCP-2206のコメンテーターたち(全ての兆候において基準世界と同じヒトと思われる)は、これらの異常を通常かつ正常なものとして扱い、普通のスポーツトーク・ラジオ番組と大きく類似した調子で解説を提供します。

 

 SCP-2206は2008年から北米大陸で放送されている「野球」の実況・解説をするラジオ番組で、放送時間は夕方(私たちのいる世界のその地域で実際に野球の試合が開催されている時間帯)からです。財団は電波の発信場所を特定できたものの、そこには放送設備がまったくなかったので、放送を停止させることはできていないようです。ラジオリスナーに何か変なことが起こるとかは特にありませんが、とにかく内容が不可解といいますか…。


 まず、この「野球」ですが、この世界の野球とは様相が全く異なります。先ほどの「電波源が見つからない」という特徴も含めて、異世界のラジオ番組ではないかと推測されているみたいですね。


 ということでちょっとこの下のルールの要約を見てほしいのですが、初心者でも恐らく一目見ておかしいと思うはずです。


  • 歩いて塁に出ることが無い。出塁のためにはヒットしなければならない。

 フォアボールだろうとデッドボールだろうとダメなので、とりあえず打たないと許されないみたいです。じゃあわざとデッドボールを食らわせるのもアリってことですよね…?

  • バットはアルミニウム、または複合材料。

 私たちのいる世界のメジャーリーグではバット素材にホワイト・アッシュの木が使われていますし、日本のプロ野球でも金属バットは使われていません。結構ホームランとか量産されてたり…?

  • 各塁間の距離は180フィート(約55 m)、ホームベースと後壁の最も遠い点との距離は1600フィート(約490 m)ある。

 …と思ったらバカデカい球場が。流石にいくら何でも広すぎます。ちなみにプロ野球では塁間距離が90フィート(約27 m)、ホームベースから外野フェンスまでが250フィート(約76 m)以上、理想は320フィート(約97 m)以上とされているので、寸法がめちゃくちゃです。

  • 周囲のフェンスが異常に高い。かつ高強度。

 観客を守るため…でしょうが、そこまでする必要あるかなぁ…?

  • 乱闘は当たり前。

  • 重傷者や死者も当たり前のように発生。

 する必要ありましたね。こんな当たり前のように人が死ぬ乱闘に一般人が巻き込まれたらたまったもんじゃありません。

  • ステロイドなどのドーピングは必須。

  • 選手は遺伝子改造された人間、幽霊、アンドロイド等、何でもあり。

 もう本当に何でもアリですね…。というか幽霊って…?

  • ファンの迷信が試合に影響する。

 迷信が試合にどのように影響するのかわかりませんが、とにかく番外戦術もOKみたいですね…。









…無茶苦茶過ぎでは?








 いやなんでしょう…もうカオスという言葉すら生ぬるい代物がお出しされていますが、実際ルールの段階でこんななので、試合内容は更に悲惨なことになっているはずです。


 さて、報告書における説明はこれで一通り終わりましたが、報告書には最後に、SCP-2206世界内に存在する球団に関する説明も載っています。ということでそちらを見ていきましょうか。



これが超次元ベースボールだ‼

 さて、本報告書最大のツッコミポイントです。現実世界同様、アメリカン・リーグ、ナショナル・リーグがあることは変わりませんが、どのチームも揃いも揃っておかしくなっています(番組内ではすべて当然のこととして扱っていますが)。以下では、現実世界で相当するであろう球団も挙げながら話していきます。



アメリカン・リーグ

  • アナハイム・アベンジャーズ(Anaheim Avengers)

ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムに相当します。 アナハイムをホームとする史上2番目のチームですが、前のチームに何があったのかは一切不明。「Avengers(復讐者)」ってもしかして前のチームの仇討ちでしょうか? 一体何があったのか気になります。


  • ボルティモア・テラピンズ(Baltimore Terrapins)

ボルティモア・オリオールズに相当します。 「テラピン」とはキスイガメのことで、現実のメリーランド州の象徴とされている…のですが、テラピンズのマスコットは酸を吐いたり背中から毒トゲを飛ばしたりする体重3トンの大トカゲだそうで。あっちの世界はこんなのがメリーランド州の象徴らしいです(SCP-682じゃなくてよかった…)。


  • ボストン・レッドシャツ(Boston Red Shirts)

ボストン・レッドソックスに相当します。 1試合における死者数最多記録を持つチームで、それが発生した1903年の対ニューヨーク・ハイランダーズ戦では、観客をチームにドラフトし、結果として1-0で勝利しました。観客よく頑張りましたね。


  • シカゴ・ブラックソックス(Chicago Black Sox)

シカゴ・ホワイトソックスに相当します。 1919年のワールドシリーズで、あろうことか八百長を仕組んでいます。ですが4連敗。どうして…?


  • クリーブランド・エグザイルズ(Cleveland Exiles)

クリーブランド・インディアンズに相当します。 1900年以降、地元のクリーブランドでは一度も試合をしていません。だからどうして…。


  • デトロイト・ウルヴァリンズ(Detroit Wolverines)

デトロイト・タイガースに相当します。 選手が不死身らしいです。それだけです。なんか慣れてきましたね。


  • ヒューストン・コルト.45ズ(Houston Colt .45s)

ヒューストン・アストロズに相当します。 1972年に「試合中の銃火器使用禁止」というルールができたのはこのチームのせいらしいのですが…。逆にそれまで銃使えたんですね。そしてこのチーム何したんだ。


  • カンザスシティ・キングス(Kansas City Kings)

カンザスシティ・ロイヤルズに相当します。 現実世界同様、カンザスシティはミズーリ州とカンザス州にまたがってますが、こちらの世界ではミズーリ州側とカンザス州側の両方にカンザスシティ・キングスが存在します。どちらも「自分たちはカンザスシティ・キングスを名乗る正当な資格がある」と主張して譲らない模様…。


  • ミネソタ・クローンズ(Minnesota Clones)

ミネソタ・ツインズに相当します。 クローン選手を本格的に採用した最初のチームです。前の選手のクローンを作成して新たな選手にするため、1985年から選手名簿がまったく変わっていません。


  • ニューヨーク・ハイランダーズ(New York Highlanders)

ニューヨーク・ヤンキースに相当します。 SCP-2206世界の倫理からしても卑劣なチームとして有名で、番組コメンテーター達からも嫌われているようです。ニューヨーク・ゴッサムズとブルックリン・エクセルシオールズが1958年の事件(後述)でニューヨークから逃亡した後、1961年のニューヨーク・アーバンズ結成までは唯一のニューヨークのチームでした。


  • オークランド・エレファンツ(Oakland Elephants)

オークランド・アスレチックスに相当します。 このチームの試合を観戦すると、なぜかその試合を忘れることができなくなります。別にその試合が忘れられないほど印象的、というわけではなく、何らかの作用があるようです。余談ですが、英語の諺では、象は記憶力のよい動物とされています。もしかしてそこに絡めているのでしょうか?


  • シアトル・ストームズ(Seattle Storms)

シアトル・マリナーズに相当します。 複数の気象の神々から加護を受けたために、2009年度は出場停止になりました。なお、SCP-2206の世界では神の存在が当たり前かのように共通認識をもっており、かつ「シーズン中の守護神は1チーム1柱まで」という規定があります。要するに規定違反なのですが、スケールが大きすぎるんですって。


  • タンパベイ・デヴィルズ(Tampa Bay Devils)

タンパベイ・レイズに相当します。 このチームの選手の給料は人間の魂で支払われます。選手もオーナーも何者なんでしょう?


  • テキサス・レネゲイズ(Texas Renegades)

テキサス・レンジャーズに相当します。 1993年にチーム全員で野球をやめてバスケットボールに転向したのですが、1995年には野球に復帰しています。2年間の間に何があったんでしょうか…?


  • トロント・レーザーズ(Toronto Razors)

トロント・ブルージェイズに相当します。 観客に無料で髭剃りサービスを提供しています。SCP-2206の世界のオンタリオ州はヒゲが嫌いなんでしょうか。



ナショナル・リーグ

  • アトランタ・アステカズ(Atlanta Aztecs)

アトランタ・ブレーブスに相当します。 ホームゲームの際、始球式の代わりにB級の有名人を生贄に捧げています。重ねて述べますが、番組内では本当にそれが当たり前のように報道されています。


  • シカゴ・オーファンズ(Chicago Orphans)

シカゴ・カブズに相当します。 1897年以降オーナーも監督もコーチもいません。1902年にはホーム球場も追い出されているのですが、それなのに20回以上ワールドシリーズを制覇しています。どういうこと…?


  • シンシナティ・コミュニスツ(Cincinnati Communists)

シンシナティ・レッズに相当します。 1952年から1993年まで非合法なチームだったそうですが、コミュニスツってことは共産主義運動でもやってたんでしょうか?ちょうど冷戦の時期ですし。


  • コロラド・ブリザーズ(Colorado Blizzards)

コロラド・ロッキーズに相当します。 ホーム球場は年間を通して雪の1m下に埋まっているそうで、ホームゲームでは場慣れしていない相手に無類の活躍を見せるらしいです。でしょうね。


  • フロリダ・フロウンダーズ(Florida Flounders)

マイアミ・マーリンズに相当します。 唯一の完全水陸両用チームです。アトランティス・アクアティックス(カナダの水泳クラブチーム)との5試合1セットの魚座杯で米国代表になりました。ちなみに魚座杯では勝った方が北大西洋の漁業権を制するらしいです。野球に専念してくださいって。


  • ロサンゼルス・デフェクターズ(Los Angeles Defectors)

ロサンゼルス・ドジャーズに相当します。 ブルックリン・エクセルシオールズ(Brooklyn Excelsiors)として活動していたのですが、1958年にニューヨーク・ハイランダーズによる暗殺計画の標的になりました。これを危ういところで逃れ、チーム・球場・オーナーシップが1晩でロサンゼルスへと移動しました。とても1晩で移動できる距離じゃなさそうですけど…。


  • モントリオール・ボルケーノズ(Montreal Volcanoes)

ワシントン・ナショナルズに相当します。 ホームゲームをモンロワイヤル(モントリオールにある火山)の中で行っています。SCP-2206世界のモンロワイヤルは現実世界と違って活火山であり、2005年のトロント・レーザーズとの試合ではチーム全員が消し炭になりました。もちろんレーザーズと観客も。本当に何やってんの…?


  • ニューヨーク・アーバンズ(New York Urbans)

ニューヨーク・メッツに相当します。 1969年のワールドシリーズ初日の前夜、ボルティモア・テラピンズの選手を全員暗殺したため、そこから通称「マーダー・アーバンズ」と呼ばれています。またこの事件のため、1970年から2000年まで「球場外での暗殺は禁止」というルールができました。今まで無かったのは仕方がないとはいえ、逆になぜ解除されたのでしょうか…?っていうか球場内の暗殺は問題無いのか…。


  • フィラデルフィア・ファントムズ(Philadelphia Phantoms)

フィラデルフィア・フィリーズに相当します。 発足からずっとチーム全員が幽霊で、ホームゲームの際に球場に出現します。シーズン全勝を達成しないと解放されないという呪いをかけられているらしいのですが、恐らく地縛霊である都合上アウェーゲームができないので残念ながら彼らは永久に解放されません。可哀想に…。


  • フェニックス・ファイヤーバーズ(Phoenix Firebirds)

アリゾナ・ダイヤモンドバックスに相当します。 防火屋根付きの球場でプレーした最初のチームです。…これってもしかして選手燃えてます?物理的に。


  • ピッツバーグ・レーベルズ(Pittsburgh Rebels)

ピッツバーグ・パイレーツに相当します。 2010年、コミッショナーに対して暴動を起こしましたが、コミッショナーの眼光で殺害されたため失敗に終わっています。コミッショナーは何者なんでしょうか。


  • サンディエゴ・ホエールズ(San Diego Whales)

サンディエゴ・パドレスに相当します。 選手達が日本の捕鯨船から何度も狙われています。どこかクジラに見えたんでしょうか。


  • サンフランシスコ・ゴースツ(San Francisco Ghosts)

サンフランシスコ・ジャイアンツに相当します。 ニューヨーク・ゴッサムズ(New York Gothams) として活動していましたが、1958年にニューヨーク・ハイランダーズによる暗殺計画の標的になってしまいました。こちらは危ういところで逃れられなかったのですが、チーム・球場・オーナーシップが1晩でサンフランシスコへと移動しました。…だから1晩で移動できる距離じゃないんですって!


  • シアトル・オートパイロッツ(Seattle Autopilots)

ミルウォーキー・ブルワーズに相当します。 自律駆動車2台、無人飛行機4機、自動掃除機3台が選手登録されています。この機械たち…野球できるんでしょうか…?


  • セントルイス・カージナルス(St. Louis Cardinals)

セントルイス・カージナルスに相当します。これだけ現実の球団と同じ名前です。 ただし、現実世界の球団の「カージナル」はミズーリ州の鳥でもあるショウジョウコウカンチョウ(ユニフォームにも描かれています)ですが、SCP-2206世界の方の「カージナル」は枢機卿(※1)で、本物の枢機卿を1人チームマスコットとして採用しています。

※1



感想戦

 いや、その…はい、もう滅茶苦茶です…。こういうツッコミどころしかない記事ってすごく面白いのですが、もはや何からツッコめばよいやら…。とにかく異常な放送なだけなので一般人には「妙だな…?」などと感づかせないだけでよく、収容方法は比較的楽な部類なのですが…やっぱりこういう珍奇な物、私結構大好きですね。


 …というか危険性も何もないので語ることがあまりありません…。クライマックスシリーズ最終戦、勝敗がどちらに傾くのか期待しながら、この記事の締めとさせていただきます。






ということで、久しぶりの更新と

なりましたが、いかがでしたか?

次回の予定は冬コミが近いことも

相まって、まだ未定です!

出来れば来月に2~3個投稿

したいなと考えております…!





 

この文章はクリエイティブコモンズ 表示-継承3.0ライセンスに従います。

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