これ は なに? 「これ(SCP-3168-JP)」を紹介!
更新日:2023年9月12日

こんにちは、ふーめーきんです!
今回から、イラストでの紹介が
できないタイプのSCPを
ブログで解説していきます!
そして今回読んでいくのは
「これ」!
……って………ど、どれ?
その、 これ とは…
『これ』は一応SCPの一つなのですが、SCPの一覧表には項目名も番号も無く、ただ「これ」の2文字のみが見えているといった具合です。ちなみに後で解説しますが、こいつはかなりの所見殺しなのでSCP初心者の方には結構難しい記事になります。あらかじめご容赦ください…。
では、まずこのSCPの記事を読んでみましょう。一応全文がこのページに載るくらい文量が少ないので、全てこちらにコピペします。それがこちら。
せゑふ
これ わねぇ やまゐぬ
み は おり に ほうっとけぃ
きろく むさん そし の ため
あらゆる かな を すへて もちひよ
…以上です。これ以外の文は存在しません。即ち、これがこのSCPの全てです。
…
…
…

…いや短すぎでしょ‼
もう少し何かしらの説明は
あってもいいんじゃないかなぁ⁉
本文48文字…流石に短すぎますよね。SCP報告書のフォーマットを逸脱しているのもさることながら、説明があまりにも不十分に見えます。一体どういうことなのか、という問いに対する答えは下にあるタグの一つがヒントになりそうです。
そのタグとは『情報災害』です。
情報災害のタグを有するSCPはそれについての発言や説明に異常な効果を発揮するものが多く、報告書が正常な形式にならないことが多いです。具体的な例では、かつて図書館だったという概念を植え付けるかつて図書館だった建物、装着者とその近くにいる人や記載された文章にず「れを」生じさせる腕時計、自身を説[申し訳ございません、無料体験コースではこれ以降の文章は表示できません。 全文を閲覧する場合、プレミアムコースへのご加入か、¥500のお支払いをお願いします。¥500を支払いますか?]…などが挙げられます。
要するに、このSCPの異常性によって報告書をこういった形で書かざるを得なかった、という感じでしょうか。異常性が見えてきたところで、次は報告書から読み取れる部分を抜き出していきましょう。
なに が みえる? やまゐぬ って?
まずは最初。
せゑふ
これは単純にオブジェクトクラスの『Safe』を指すと思われます。『Safe』であるということは安全な収容方法が確立されており、収容違反が比較的起きにくい部類であることが推察できます。
次に2文目。
これ わねぇ やまゐぬ
やまゐぬ…つまり山犬であるということでしょうか。だいぶ砕けた言い方になっていますが、そのSCPが何であるかのイメージは固まりました。山犬にも様々な意味が含まれるのですが、個人的にはニホンオオカミである説が一番面白いので今回はそれにします(ちなみにニホンオオカミのSCPもいます)。
次、3文目。
み は おり に ほうっとけぃ
身は檻に放っとけ…ケージに入れられている感じですかね。この辺りから特別収容プロトコルらしき文面が見えてきています。
最後は4、5文目。
きろく むさん そし の ため
あらゆる かな を すへて もちひよ
記録霧散阻止のため、あらゆる仮名を全て用いよ…これが本SCPの異常性の根幹と思われます。つまりこいつは収容のために報告書の記載をパングラムにしなくてはいけないのではないでしょうか。
パングラムとは言葉遊びの一種で、ある言語の文字を一文で全て使うものです。日本語のパングラムの代表格といえば『いろは歌』ですね。日本語は他言語と比較してもパングラムを作りやすい傾向にあることを考えると、このSCPが日本で発見されて良かったです…。
という訳で「これ」に関して何となくわかってきたので、今見えている情報だけでSCPフォーマット上に落とし込んだ報告書を作ってみました。
アイテム番号: SCP-3168-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-3168-JPは■■■■■■■■のケージにて管理されています。情報の喪失を防ぐため、報告書にはパングラムを用いた文書が記載されます。
説明: SCP-3168-JPはニホンオオカミ(Canis lupus hodophilax)の姿をした生物実体です。
うん、SCPらしい報告書!でもこんなことしたら情報喪失待ったなしですね!
めも を じゅくあん せよ!
ここまでは報告書から読み取れる部分についてまとめてみましたが、この先は報告書からは読み取れない、思い切り私個人の考察パートになります。
まずオブジェクトクラスのSafeですが、生物系のSCPでは少し珍しいものになります。意思があるSCPは大概Euclid分類なので、個人的には「ちょっと優しめ」だと思いました。ですが、収容方法が『報告書をパングラムで形成する』だけでSafe判定なので、注意すべき事項は少なく、本体がどんな状態であっても問題なし、といった認識でも良いのではないかと思います。
となると、こういったSCPにおなじみの「ルールを破ったら不味い」パターンが考えられます。ルールを破ったとて異常性が強くないものは基本Anomalousアイテムに分類されます(要はSCP未満)ので、本体はケージに入れておくだけで良いというのであれば異常性の方が非常に強力であると考えられます。
きろく むさん そし の ため…”どの”記録かは述べられていませんが、例えば『「これ」自身に関する報告書』かもしれませんし、『「これ」について言及する文面の載ったサイト』ごと含まれる可能性も考えられます。怖いのはSCP世界的に後者の方がそれっぽかったりすることなんですよね。下手したら報告書内に収容されているタイプのSCPも吹き飛ぶ可能性もあるので、収容法が確立して本当に良かったです…。
ひらけ ゑむ ふね たち きいろ さす ほう へ
さて、いかがでしょうか。これを通して情報災害の恐ろしさが目に見えてわかって戴けたら幸いです。情報災害系のSCPは反ミーム部門や誤伝達部門などが関わる記事もあり、その場合は超高難度の謎々が読者を襲ってきます。ふーめーきんは誤伝達部門が大好きなのでいつかそれをメインにした記事を作りたいですね…!

さあ、という訳で、
またシリーズが増えましたね…
まあ他の記事シリーズとは違って
完全に不定期更新になるので…
次回は本当にいつになるか
未定です…それでは!
おわり
これ by solvex (http://scp-jp.wikidot.com/scp-3168-jp)
SCP財団日本支部(http://scp-jp.wikidot.com)
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※小見出しの太字を抜き取ると…?
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