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ふーめーきんと学ぼう!! ④「錯覚」

執筆者の写真: ふーめーきんふーめーきん






暫くやらないかもって言ってたのに

何か二転三転して申し訳ないです…

まいど、ふーめーきんです。

今回は錯覚、心理学に近いのかな?

それでは、行ってみましょう!









1、錯覚ぅ?錯視と何が違うのよ?


 錯覚(さっかく、英:illusion)とは、感覚器に異常がないのにもかかわらず、実際とは異なる知覚を得てしまう現象のことである。対象物に対して誤った感覚や認識を得るのが錯覚であり、存在しない対象物を存在すると見なしてしまう幻覚とは区別される。

(Wikipediaより引用)


 一般的には、錯覚は知覚の誤りと考えられていて、感覚・知覚・認識過程のどこかにミスが起こったことで発生する、と認識されていますが、心理学でいう錯覚とは間違いや誤りの類いではありません。注意深く観察しても、予備知識があっても生じてしまう、人間の感覚・知覚特性によって作り出される現象を指すようです。要するに、正常な人でも間違った判断をしてしまう現象のことですね。


 錯覚には大まかに4つに分類されていて、

  • 見間違い、聞き違い、人違いなど、対象物への注意が不十分のために起こる不注意性錯覚

  • 暗くて怖い場所を歩いていると、物の影が人影に見えたり、恐怖や期待などの心理状態が知覚に影響を与える感動錯覚

  • 雲の形が顔に見えたり、しみの形が動物や虫に見えたりと、不定形の対象物が違ったものに見えるパレイドリア(※1)

  • 数多く知られている幾何学的錯視など、対象がある一定の配置や状態にあると起こる生理的錯覚

 そして恐らく皆さんが「錯覚」と聞いて思いつくのが、4つ目の生理的錯覚でしょう。


 で、よく錯覚と混同されている「錯視」というのは、錯覚の中でも「視覚」に関係するもので、俗に「目の錯覚」と言われるものです。


 今回はそんな錯覚の中で、私が気になったものを…というか、視覚以外の錯覚をメインにして学んでいきたいと思います。


 …いや、確かに錯覚と言えば錯視なんですよ。ミュラー・リヤー錯視、ポッゲンドルフ錯視、エビングハウス錯視、フィック錯視、フレイザー錯視、カニッツァの三角形…正直書ききれない程いっぱいあるんですよ。だって視覚は人間の情報を知るルートの8割を占めてる癖に頼りなくて間違いを犯し易いんですもの。でもWikipediaとかYoutubeとかでいっぱい解説されてるし、今更感が否めなかったので今回はこちらを…。錯視より騙されてる感が無いと思いますので、多少薄味になるかも知れません。予めご了承下さい…


※1…対象物が雲やしみであることは理解していて、顔や動物ではないという認識も持っているのですが、一度そう感じてしまうとなかなかその知覚から逃れられないようです。熱性疾患の時にも現れやすいので、皆さんも経験あるのでは?



2、耳の錯覚「錯聴」


■無限音階――シェパードトーン


 無限に階段が続く「ペンローズの階段」の音階版です。ド→レファド……と次第に高くなっていく筈の音階が、違和感なく無限に続くように聞こえる音階です。考案者の名前をとって「シェパードトーン」とも呼ばれます。


 もちろんですが実際の音階は無限に続きません。1オクターブ上がるごとに周波数が2倍になって、442Hz(所謂Aの音)から始めたとしても6オクターブ上がると人間の可聴域を超えてしまうからです。


 じゃあ、なぜ無限に音階を上がっていくような音を作れるのかと言うと、これは音階が上がっていく音をいくつも用意し、その波形をちょうど「輪唱」のように重ね合わせることで実現しているからです。つまり、「輪唱で新たに歌いだし始める人」のように、実はどんどんと音源が追加されているのです。複数ある音源は、音階が上がりすぎることで上のものから順次聴こえなくなっていきます。しかし次々に補充されていくので、音源が絶えることはないという訳です。


 もっと分かり易く言うと床屋のサインポールみたいな感じで音が重なっている…みたいなものですかね。



■音脈分凝――反復に伴う変形


 皆さん、一定のリズムで「カラッパ」って言い続けたものを録音してもらっていいですか。大体15秒ほどお願いします。そのあと、録音した音声を聞いてみて下さい。(カラッパは蟹の仲間の名前です)



……


 …どうでしょうか。途中で「パカラッ」になりませんでしたか?ならなかったらごめんなさい。私の所為です。


 これは、物理的にはまったく同じ音であっても、長時間聞いているとさまざまな聞こえ方が切り替わるという現象の例です。視覚の「多義図形」(ルビンの壺など)にも似たような現象があります。


 今回は、目、耳の錯覚で参考にしているサイトが滅茶苦茶参考資料を出してくれているのでこちらも見て(聴いて?)頂けるともっと分かり易いと思います。(視聴できない場合はFlashのブロックを解除すると良いと思います)



■ASMR――くすぐったい音


 ASMRとは、Autonomous Sensory Meridian Responseの略です。皆さんはASMRを聴いたことあるでしょうか?一般的なCDなどをヘッドフォン(もしくはイヤホン)で聴いているときと違って、耳の傍や頭の周りで生々しく音が聞こえると思います。


 人間が音源の位置を判断するときは、様々な音の特徴を利用しています。左右の判断では、音源からの音波が両耳に届く時間差や、頭の陰で音波が減衰することによる音圧の差が主な手がかりなのですが、それだけだと上下方向や奥行き方向の位置が分かりません。


 上下方向や奥行き方向を決めるのは、聴いている人の頭や耳で音波が複雑に反射したりすることによるスペクトル(※2)の変形効果です。例えばダミーヘッドの耳の中にマイクを仕込んで録音している場合、ダミーヘッドの頭や耳によるスペクトルの変形効果をそのまま反映しています。だから単に左右だけではなく、あたかも耳の傍や頭の周りとかで音が鳴っているような感じが再現できるのです。


 ただし、頭や耳の大きさ、形は人それぞれなので、スペクトルの変形効果も実際は一人一人異なっています。前の例ですと、そのとき録音に使われたダミーヘッドとよく似た頭や耳の人は良いのですが、そうでない人には少し違和感があるかも知れません。後ろが前に聞こえたり、顔の正面が上に聞こえたりすることもあります。


※2…音がどのような周波数からできているかを一目瞭然に示したグラフを「周波数スペクトル」と言い、略して単に「スペクトル」とも言います。このスペクトルを使うと、「どのような音の組み合わせが協和するか」を問題にするときに、「どのような」の部分を具体的に正確に記述できるようになります。







錯聴の話はここで一旦終わりです。

ASMR、私も良く聴くんですが、

くすぐったくて「ビクッ!!」って

なるんですよね…耳弱いのかな…?

この後は視覚と聴覚以外の

錯覚を見ていきますよ!








3、その他の感覚器官の錯覚及び複合系錯覚


■味覚――味の対比効果


 奴は五感の中でも最弱…とよく言われている味覚ですが、こちらも何故か錯覚を起こします。この時期はスイカの季節なのでスイカがある人は是非やってみて欲しいのですが、スイカに塩を少量振って食べるとスイカの甘みが強調されるように感じます。これは塩気がスイカの甘みを強調する味の対比効果と言われています。


 そして塩には味を抑制する効果もあり、ニガウリなどに塩をかけると苦味が抑えられるそうです。苦味と酸味のある夏みかんにかけると苦味を抑えて甘みを強調してくれるらしいですよ?


 似たような話で、「プリンに醤油をかけるとウニみたいな味がする」というのがありますが、そちらは茨城県那珂市の小学生が行った実験があるので、ぜひ参照して頂きたいです。



■視覚と聴覚――マガーク効果


 イギリスの心理学者、ハリー・マガークとマクドナルドは次のような実験を行いました。まず、スクリーン上の人に「が、が…」と発音させて、その映像を映すときに音声を消し、「ば、ば…」という音声をスピーカから流します。こうすると「だ、だ…」もしくは「が、が…」と聞こえます。


 この結果は、唇の動きという目で見た映像に騙されて、耳から入った音声が実際とは違った音声に聞こえたということです。「ば」と発音するときには唇が合うはずなのに、スクリーン上に映し出された唇は開いたまま。このため、唇を開いたままで発音された音声へと解釈してしまうのです。このように視覚と聴覚が矛盾するとき、視覚を優先して聴覚の解釈が変えられてしまうことがあるのです。



■視覚、嗅覚、味覚――メタクッキー


 なんだか聞きなれない言葉だと思いますが、これは東京大学大学院・情報理工学系研究科の鳴海拓志先生の開発したVRシステムで、クッキーに対して視覚と嗅覚の情報を追加することで、クッキーの味の認識を変化させるものです。プレーンのクッキーをチョコ味、ストロベリー味や紅茶味など、7種類ほどのクッキーに変えることができます。


 クッキーにはAR(拡張現実)でよく使われるマークがついていて、マークをヘッドセットが認識すると、ヘッドセットのディスプレイ上で、マークの位置に味の付いたクッキーの画像が表示されます。さらに、別の装置に食用の香料を入れて、鼻の位置までそよ風程度の風を送ります。クッキーを近づけたり遠ざけたりすると、画像の大小や香りの強弱が調節されます。

(画像出典:OPENLAB Review様)


 食べ物の味は、口の中や舌で味わっていると思われがちですが、実はそれ以外の五感も大きく影響していて、前述の通り、味覚よりも嗅覚や視覚の占める割合が大きいことが分かっています。このように複数の感覚を使って認識することを”マルチモーダルな知覚”と呼ぶらしいのですが、最近は味やおいしさの認識に対する五感の役割に注目が集まっているようです。実験に参加した7〜8割の人は、途中で味が変わるシステムであることを知った上で食べても「味が変化した」と錯覚したそう。是非とも食べてみたいですね…!



4、おまけ


■視覚――エドワード・エーデルソン錯視(チェッカーシャドウ錯視)


 「えっ、視覚やるの?」とお思いの方もいると思いますが、やります。というかやらせて下さい、お願いします…。やっぱり面白みにイマイチ欠けている気がするので…


 下の画像を見て下さい。AとB、どちらが濃く見えるでしょうか?一見、Aの方が濃く見えると思いますが、実際はどちらも同じ色なのです。

 これを制作したのは、マサチューセッツ工科大学のエドワード・エーデルソン教授。このAとBが全く別の色に見える理由は2つあります。まずは色の対比効果による現象。Bが暗い色に囲まれているので、実際の色よりも明るく見えてしまいます。2つ目は、円柱の影になっていることで人間の視覚が影の中にある物だから暗いと認識しているからです。影と影じゃないところの境界がぼやけているのもその効果を後押ししていますね。

 「それでも信用できない!」という人の為にAとBをそれぞれ動かした画像を用意しました(上図)。人間の視覚がいかに頼りないか、お分かりいただけたでしょうか?






どうでしょう、楽しめましたか?

今回はあまり専門的な話にならない

ようにしたつもりなので、

上手く出来てれば良いなって

思ってます!それではまた次回!










参考書籍

  • マンガでわかる心理学|ポーポー・ポロダクション


参考にしたページ

 
 
 

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