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ある意味試される推理力。「第2108問(SCP-CN-2108)」を紹介!

  • 執筆者の写真: ふーめーきん
    ふーめーきん
  • 2023年12月4日
  • 読了時間: 4分







どうも、ふーめーきんです!

今回もSCP紹介、やっていきます!

で、今回はこちらの

「第2108問」

紹介していくのですが…







問題です!大問題です!

 『第2108問』は一応SCPの一つなのですが、SCPの一覧表には番号が無く、ただ「第2108問」と項目名が見えているといった具合です。ちなみに後で解説しますが、こいつもかなりの初見殺しなのでSCP初心者の方には結構難しい記事になります。あらかじめご容赦ください…。


 では、まずこのSCPの記事を読んでみましょう。一応全文がこのページに載るくらい文量が少ないので、全てこちらにコピペします。それがこちら。

派手な身なりで心は熱く、体は空っぽ皮は薄い

木を盗む案は主人に欠点あり、金を失い 心ない想いに竹が重なって 畑は田んぼとなってしまった

弦の物語は右折の祖を兼ね、言うと迷うとを繰り返す

二一〇八は難しくない、伝隠黙直(でんおんもくちょく)とすればよい

…以上です。これ以外の文は存在しません。即ち、これがこのSCPの全てです。













にもやったよ

この展開‼



短いんだってだからさぁ!






 いやまぁ…流石に短すぎますよね。SCP報告書のフォーマットを逸脱しているのもさることながら、説明があまりにも不十分に見えます。ちなみに今回のSCPは中国支部(CN)の管轄に当たるのですが、そちらもそちらでよく分からない書かれ方をしています。一体どういうことなのか、という問いに対する答えは下にあるタグの一つがヒントになりそうです。(というかここまで前のアレと殆ど同じ文面なのマジ?)


そのタグとは『誤伝達部門』です。



誤伝達部門って何?

 誤伝達部門(Department of Miscommunications : DoMC)は、SCP財団にある専門の部署の一つで、その役割は以下の通りです。


  • 正確に説明することが困難になるように言語やコミュニケーションを操作するアノマリー。

  • 正確な収容をある程度困難にするために上記を行うアノマリー。

  • それらのようなことはしていないが、十分な知識を持たない観察者にはそうしているように見えるアノマリー。

  • 上記を支援する、言語的および物理的な技術の作成と維持。

  • ミーム学、言語学、反ミーム学、対抗概念学、形而上学、分析学、超常-および異星言語学、データベース管理などの分野間における曖昧な学際的空間の探求および規制。


 簡単に言えば、「報告書そのものの表現を置き換えてくるアノマリーに対して、その影響下でアノマリーの異常性を伝達すること」を目的とした部署です。


 ここで重要なのは彼らの管轄が認識災害や反ミーム特性とは異なる点です。認識災害であれば、執筆者の認識そのものに影響を与えることになります。


 例えばかつて図書館だった場所は「軍事施設だが、見た人にかつて図書館だった建物であると認識させる」認識災害特性と、「異常性及びアノマリーの本質(=本当はそもそも図書館だった事実はなく軍事施設のたぐいであるということ)を理解しているかに関わらず、かつて図書館だった建物であると言及させられる」情報災害特性を持っているのですが、誤伝達部門が管轄するのは後者だけです。恐らくは前に紹介した『これ』も誤伝達部門の管轄になると思われます(どちらにも誤伝達部門のタグが付いている訳ではないので正確なことは言えませんが)。


 要するに、誤伝達部門の担当するオブジェクトは、だいたい報告書の様子がおかしくなっているのです。私たちは報告書を見て「あー、今なぞなぞさせられてるんだな」くらいに思っておくとよいかもしれません。


 誤伝達部門についてある程度の理解が深まったところで、いよいよ『第2108問』の答えを見ていきましょうか。



「問答」は「面倒」…?

 メタ的な話をすると、答えを日本語訳者の方がディスカッション(SCP財団の投稿作品に対する意見交換の場)で書いているのですが、一応こちらでも答え合わせをしていきます。答えは折り畳みになっているので開いて確認してみてくださいね。


 まずは1文目のこれ。

派手な身なりで心は熱く、体は空っぽ皮は薄い

完全に謎々ですが、皆さんはもうお分かりですか?

ここではこのSCPの特徴を書いています。様々な絵が描かれ、空洞の中には灯がともっていて、外側はとっても薄い素材でできている…そう、紙灯籠のことですね。


 次は2文目。

木を盗む案は主人に欠点あり

11月後半のふーめーきんのXに投稿されたコンテンツを知ってる人なら楽勝ですね。

木を盗む案…漢字の『案』から『木』を盗むと『安』

主人に欠点あり…漢字の『主』から点が欠けると『王』、『人』と合わせて『全』


つまり『安全』、オブジェクトクラスがSafeであることがわかります。


 2文目の続きです。

金を失い 心ない想いに竹が重なって 畑は田んぼとなってしまった

これも先程と同じ要領で解いてみましょう!

金を失い…『金』と『失』を組み合わせて『鉄』

心ない想いに竹が重なって…『想』から『心』をなくし、『竹』を重ねると『箱』

畑は田んぼとなってしまった…『畑』から『火』を消して『田』


上記の文は特別収容プロトコルです。火を消して鉄の箱の中に入れておく…といった具合でしょうか。


 3文目前半です。

弦の物語は右折の祖を兼ね

これが一番難しいかもしれません。中国支部のSCPらしさがあります。

弦の物語と右折の祖は両方ともげんしょうせつ(弦小説/原初右折)と書けます。げんしょうせつで検索すると多分元宵節(旧暦の1月15日)が出てくる筈です。ちなみに元宵節には紙灯籠に書かれた灯謎というなぞなぞの一種を解く猜灯謎なる習慣があるそうで、恐らくこのSCPの元ネタである可能性があります。


 そして後半。

言うと迷うとを繰り返す

さっきのに比べると楽勝ですね!

『言』と『迷』を合わせると『謎』、これを繰り返すと『なぞなぞ』になります。


 最後です。

伝隠黙直(でんおんもくちょく)とすればよい

これだけちょっと捻ってますね。この記事の文面を隅々まで見てればわかるかも?

でんおんもくちょく、ローマ字で書くとDennOnnMokuChokuになります。大文字だけ抜き出してみるとDOMC…つまり誤伝達部門(Department of Miscommunications : DoMC)になります。これが誤伝達部門の管轄であるということがわかりますね。


 ということで、これまでの情報を統合すると、こんな感じの報告書が出来上がります。

報告書を見る(少し脚色あり)

アイテム番号: SCP-CN-2108


オブジェクトクラス: Safe


特別収容プロトコル: SCP-CN-2108は、サイト-████の標準型収容ロッカー内に内部の火を消した状態で保管されます。SCP-CN-2108について記録する際には、すべての文書をなぞなぞのように変換してください。


説明: SCP-CN-2108は、中国における元宵節の猜灯謎の際に用いられる紙灯籠です。オブジェクトには情報災害があり、なぞなぞの形式でのみこのオブジェクトを説明することが可能です。


誤伝達部門より通達


報告書には不要な情報、及び一部存在していない情報があります。これは意図されたものではありません。


 …どうでしょう?皆さん、最後まで解けましたか?


 納得いかない?それでは最後に項目名をお見せして、紹介を終了させていただきます。



第2108問

徒労のうつけ


またクイズかよ⁉という人のために

『とろう』に『う』をつけると『とうろう』

項目名から既になぞなぞは始まっていたのでした…!







はい、お疲れさまでした!

そして、このタイミングで

いうのもアレですが、

今年のブログ更新もあと

わずかとなりました!

次回も楽しみにして頂けると

嬉しいです…!




第二幺零八题 by Etinjat (https://scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-2108)

第2108問(日本語訳) by dhueguang (http://scp-jp.wikidot.com/scp-cn-2108)

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