みんなしあわせ！SCP-1374-JPを紹介！（前編）
どうも、ふーめーきんです。
今回のSCP、結構情報が多いので
精一杯ついてきて下さい…！
こちらも出来る限り注釈を入れて
説明いたします！
まずこの報告書では、あなた(閲覧者)がSCiPNETというSCPのデータベースにアクセスするところから始まります。一応本家の再現を試みたのですが、あまり上手くいかなかったので、今回はいつもと同じ感じでいこうと思います。ではでは。
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SCiPNETへようこそ。
SCP-1374-JP関連文書(3)を閲覧しますか？(y/n): y
…
……
………
あなたの許容クオリア値(Permissible Qualia Level)は閲覧上限値を超過しています。閲覧にはクリアランスに応じたクオリア抑制処置パターン-714が必要です。
処置パターン-714を実行しますか？(y/n): y
前頭葉にアクセスしています………成功
生体データをデータベースに照会しています………成功
機器を脳波に同期しています………成功
処置パターン-714を開始します。
…
……
………
レベル4/1374-JPクリアランス向け処置パターン-714(PQL: 20-48)が完了しました。情報が開示されます。閲覧中、あなたの脳波は常に測定され、異常が認められた瞬間機動部隊がアクセス端末の存在する座標に派遣されます。閲覧終了後は、必ず抑制解除手順を行って下さい。
今回紹介するSCP-1374-JPの報告書は3つの文書に分かれております。そして、閲覧には許容クオリア値(Permissible Qualia Level : 以下PQL)が一定の範囲内であることが必須であり、閲覧者のようにPQLが上限値を超えている場合は特定の抑制方法を行う必要があるとの記載があります。
閲覧者に異常があれば即機動部隊をけしかけるとも書いてありますが、こういった場合は報告書の閲覧だけでも異常性に曝露する可能性があります。そういうSCPはかなり慎重に取り扱わなければならないので、こういった記載があるのだと思われます。
ということで、ようやく報告書が読めそうです。続きを見ていきましょう。
ファイル#01
ファイル#01「SCP-1374-JP報告書」を開きます………
アイテム番号: SCP-1374-JP
オブジェクトクラス: [PQLが閲覧上限値を超過しています]
早速ですがストップです。
閲覧者のPQLが上限値を超えているためにオブジェクトクラスが見えません。一応抑制処置は受けているのですが…。となると、オブジェクトクラスを見るだけでも異常性に曝露する可能性が出てきました。これだけでもだいぶめんどいですが、一旦特別収容プロトコルを読みましょう。
特別収容プロトコル: SCP-1374-JPに関する全資料はSCP-1374-JP-Bに分類され、閲覧する際には前頭葉への電気刺激によるクオリア抑制処置パターン-714が行われます。閲覧中にSCP-1374-JP-Vが発生した際は、1374-JP-V接触用処置パターン-714(PQL: 5)を受けた低PQL機動部隊わ-0"寡黙"により確保し、[PQLが閲覧上限値を超過しています](以下、座標1374-JP)へ移送します。
まだプロトコルは続きますがストップです。
先程の処置はこの報告書(SCP-1374-JPに関する資料なのでSCP-1374-JP-Bとして扱う)を閲覧する際に必要なものだった訳ですね。そして閲覧を続けた場合、閲覧者はSCP-1374-JP-Vになる可能性があり、その際は専用の機動部隊によってどこかに連れ去られるみたいです。
座標1374-JPに集合しているSCP-1374-JP-V群は、ガラスの天井が備え付けられた収容施設をSCP-1374-JP-V群を覆うように建設することで収容します。座標1374-JP外のSCP-1374-JP-Vは機動部隊によって確保、内部へ移送します。
全SCP-1374-JP-AやSCP-1374-JP-C及びそれらを記録したデータは、機動部隊やRAISAの担当職員らによって削除されます。またメディアを常に監視し、大規模なSCP-1374-JPの流出を事前に防ぎます。
捉えられた…というか自分たちからその場所に集まったSCP-1374-JP-V達。何をするのかはまだわかりませんが、そこを大きな収容室として、曝露した人達を送り込むようです。
また、先程SCP-1374-JP-Bが話題に出てましたが、BがあればAもCもあります。しかしACどちらもデータが削除されるようで、説明はあるものの閲覧はできません。
それでは、いよいよSCP-1374-JPの説明を見ていきましょう。
説明: SCP-1374-JPは異常な精神汚染能力を持つ情報です。図形であるSCP-1374-JP-A、文書であるSCP-1374-JP-B、音声であるSCP-1374-JP-Cが存在しています。SCP-1374-JPを直接的/間接的問わず、通常のPQL(100前後)で認識したヒトは、SCP-1374-JPの内容に関係なく「楽しそう」「幸せ」「[PQLが閲覧上限値を超過しています]」等の好意的/楽観的なクオリアを得て、笑い声と共に瞬時にSCP-1374-JP-Vに変化します。PQLが一定の数値まで抑制され、好意的/楽観的なクオリアを得られない状態では、SCP-1374-JP-Vに変化することはありません。
SCP-1374-JPとは、認識すると精神汚染される図形(A)、文書(B)、音声(C)です。これらを一般人が認識するとSCP-1374-JP-Vに変身するみたいですね。
それと今更ながら報告書に何度も出てくる「クオリア」について説明…しようと思ったのですが、このクオリアという概念、様々な分野の学問から解析できないと匙を投げている代物でして、そんなものをいち一般人が解説できる訳がないんですよね…。一応神経科学とかでは分析が進んでいるらしく、『脳科学辞典』には「感覚的な意識や経験のこと、意識的・主観的に感じたり経験したりする質のこと」との記載がありました。
これらの情報を統合すると、一般人はこのSCPを認識し、好感を抱いた時点でアウトという、初見殺しも良い所の超強力なヤバいやつになります。そこから考えて、オブジェクトクラスはKeterかそれ以上のクラス[※1]が妥当な気がします。
次は、そんなSCP-1374-JP達が具体的にどのようなものであるのかの表があります。
[※1]
分類番号 | 内容 | 非汚染PQL上限値 |
SCP-1374-JP-A | 主に円とその内部の小半円と2つの曲線で構成される、一般的に「ニコちゃんマーク」「スマイルマーク」等と呼称される図形。その形には個体差が存在するが、非異常性のスマイルマークとの図形的な差異はない。不明な手段によりランダムな地点に出現し、稀に増殖する。 | 14-17 |
SCP-1374-JP-B | SCP-1374-JP及びSCP-1374-JP-Vに言及した文書。記憶以外の、確認されている如何なる媒体でも異常性を持つ。 | 16-72 |
SCP-1374-JP-C | SCP-1374-JP-Vが発する音声。笑い声、歌声、[PQLが閲覧上限値を超過しています]等。SCP-1374-JP-Cに暴露すると、死亡している・白骨化している場合も、断片から肉体が再生、蘇生してSCP-1374-JP-Vに変化する。 | 6-9 |
コジマ電気の旧ロゴデザインみたいなA、報告書そのものにも異常性を付与するB、そして死者蘇生みたいな効果を持つC…どれもよりどりみどりですが、注目してもらいたいのは『非汚染PQL上限値』です。先程の説明では一般人のPQLは100前後となっていましたね。表の中で1番安全なBですら72なので、いよいよ知覚したらアウト感が強まってきました。
特に音声の非汚染PQLが途轍もなく低いです。先程確保を行う専門の機動部隊の記述がありましたが、そのPQLは5以下に保たれているのでしょう。ここまで来ると人間的な感情の発露はほぼ無くなるのではと思われます。ちなみに非異常のAの画像を下に載せておきます。
それでは、そんなABC群を認識して変化した人類、SCP-1374-JP-Vの詳細を見ていきましょうか。
SCP-1374-JP-Vの顔面には目・鼻・口・睫毛・眉毛が存在せず、黒い線で描画された円のないSCP-1374-JP-Aが存在します。口がないにも拘らず問題なく発声が可能であり、ほぼ常時SCP-1374-JP-Cを発しています。人間がSCP-1374-JP-Vに変化した瞬間、先天的・後天的問わず全ての疾患・障害が完治し、同時に異常な物理的耐性を獲得します。この為、現在までSCP-1374-JP-Vが死亡した例は確認されていません。
どうやらSCP-1374-JP-Vになると、完全無敵のニコちゃんマンが降臨するようです。
いや…詰みですよコレ。顔面がAになっていることも然ることながら、非汚染PQL上限値が最も低いCを常時発声しているのが厄介極まりないです。そんなやつが破壊耐性と不死性を手に入れているのです。あとはどうなるかわかりますよね。詰みです。
変化から数秒～数日経過すると、SCP-1374-JP-Vは座標1374-JPへの移動を試みます。この時ほぼ直線的に座標1374-JPへ向かう為、本来ならば死亡するようなルートを通る場合が多いですが、大抵はその破壊耐性によって強引に前進します。座標1374-JPに到着したSCP-1374-JP-Vは、既に到着しているSCP-1374-JP-Vらと手を繋いで円を作り、SCP-1374-JP-Cである「[PQLが閲覧上限値を超過しています]」を歌唱します。歌唱中に新たなSCP-1374-JP-Vが到着した場合、歌唱しながら新たなSCP-1374-JP-Vと手を繋ぎます。現在座標1374-JPに集合しているSCP-1374-JP-Vの数は[PQLが閲覧上限値を超過しています]です。
Vに変化した人類は、プロトコルでも出てきたとある場所に自分から向かうようです。破壊耐性があるので直進しても問題ありません。そしてランラランと手をつなぎ、何らかの歌(当然Cに分類されます)をV同士で歌い出す訳です。Vの顔面を見てしまった人ももれなくVに変化させていくのでしょう。…人類保護とか無理ゲーでは？
SCP-1374-JPとSCP-1374-JP-Vの増殖によるAK-クラス:世界終焉シナリオ及びXK-クラス:世界終焉シナリオが完了する恐れから、現在瀬戸 茂(せど しげる)博士によりSCP-1374-JP-Vの治療/終了方法が模索されています。
SCP-1374-JPによる精神汚染は、収容中のオブジェクトの収容違反を引き起こす恐れがある為、許容されません。例えSCP-1374-JPによってしあわせになれるとしても、我々の理念を忘れてはならないのです。─瀬戸博士
1つ目の文書は瀬戸博士のコメントで締められています。Kクラスシナリオに関しては今後詳しく紹介しますが、とりあえず「このSCPで地球がヤバい」くらいに思っておくと良いと思います。SCP-1374-JPの異常性は、放っておけば確実に人類はWAになっておどろう状態になるので、財団は何としてでも食い止める手段を講じている訳ですね。
それにしても瀬戸博士のコメント、「しあわせ」がひらがな表記な所に少し違和を感じます…。
さて、次からは2つ目の文書、「タイムラインレポート抜粋」を見ていきましょうか。SCP-1374-JPが発生した財団世界はどのような変遷を辿っていったのでしょうか？
ファイル#02
ファイル#02「タイムラインレポート抜粋」を開きます………
2018/08/01 日本国██県██市██村において、SCP-1374-JP-A及びSCP-1374-JP-Vが初めて発見されました。
2018/08/02 光量は変化していないにも拘らず、太陽が肉眼で視認できるようになりました。太陽表面には巨大なSCP-1374-JP-Aが確認できます。
2018/08/03 [PQLが閲覧上限値を超過しています]に集合しているSCP-1374-JP-V4体が発見され、この地点が座標1374-JPに指定されました。
(発見当時の座標1374-JP。映っているSCP-1374-JP-Vは██一家と特定された。)
初手で太陽表面にAが浮かび上がって来ましたね。あんまり太陽を肉眼で見ることはなさそうですけど、認識したらアウトなコイツには何らかの作用がありそうで恐ろしいですね。
そして座標…例の場所に家族でたどり着いたVの元人類が発見された訳ですが、画像は例によって顔が見れません。まぁ顔がAそのものに変化している訳ですから当然です。
2018/08/08 ██県██市を中心に、被子植物の花にSCP-1374-JP-Aが出現し始めました。
2018/08/09 SCP-1374-JP-Aが自身を複製しているという仮説が瀬戸博士によって立てられ、これ以上の地球上でのSCP-1374-JP-Aの増殖を食い止めるべくSCP-1374-JP-Aの出現した植物の焼却計画が開始されました。
2018/08/15 日本上空の雲にSCP-1374-JP-Aが見られるようになりました。これにより、焼却計画は無意味と判断された為凍結されました。
(全住民がSCP-1374-JP-Vに変化した██村と、SCP-1374-JP-V。)
太陽、花ときて、お次は雲に発生。植物はどうにかできても雲は財団も無理と判断したようです。写真にはVが写っていますが、誰が撮ったのでしょう…？
そしてここから更に被害が広がっていきます。
2018/08/17 [PQLが閲覧上限値を超過しています]ヶ国の全国民がSCP-1374-JP-Vに変化しました。これは全人類の[PQLが閲覧上限値を超過しています]%に当たります。
2018/08/23 現在、SCP-1374-JP-Aの存在しない植物や、人間以外の動物は確認されていません。
2018/08/29 [PQLが閲覧上限値を超過しています]
2018/09/03 [PQLが閲覧上限値を超過しています]
(座標1374-JPへ移動するSCP-1374-JP-V。)
財団の努力も虚しく、人間以外の動植物全てにニコちゃんマークが出現してしまっています。さらなるタイムラインレポートの閲覧にはPQLが足りないようですが、まだ内容が残っているのでしょうか？
2018/09/05 [PQLが閲覧上限値を超過しています]
2018/09/08 しあわせは認められませんでした。
しあわせは認められなかったみたいです。
…何に？
(後半へ続きます)
SCP-1374-JP by kankan (http://ja.scp-wiki.net/scp-1374-jp)
SCP財団日本支部(http://scp-jp.wikidot.com)
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